神野 直彦 : 人間回復の経済学 ☆☆☆☆・

こちらの本が出版されたのは2002年は、小泉政権2年目。「市場原理にもとづく経済システムの拡大を目指した構造改革」へ日本が舵を取ったこの時期に、その構造改革の「方向性」に警笛をならしていた本です。今読むとまさに著者が懸念されていた状態になってしまったと実感します。この手の本は批判ばかりで提言がちょっぴり、というがっかり本が多い中、「ではどのような国を目指すべきなのか」について、とても丁寧に書かれてあり、「ちょっと難しそうだけど、こういうシステムが実現したらきちんと機能しそうだ」という印象を受けました。

好例として「スウェーデン」の政治システム、社会システムが取り上げられていますが、スウェーデンについては『あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書』しか読んでいないので(これも分かりやすくて良い本ですね)、今一度しっかり勉強したいと思います。

著者の神野「直彦!」さん。たくさん本だされている方なのですね。この前テレビでちょこっと見ました。その他の書籍も読んでみようと思います。

好況時は過重労働、不況時はリストラ。私たちはまるで経済に従属して生きているかのようだ。これは本来の姿なのか?現在の閉塞状況は「構造改革」で打開できるのか?いまこそ人間に従属する経済システムをつくる絶好の機会であり、それが閉塞打破のカギにもなる。社会、政治、経済の三者のあるべき形を提案する、斬新な経済社会論。

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2件のコメント

  1. ご無沙汰しております。
    この本のタイトルとレビュー見て即購入しちゃいました。
    スゴイ本っすね!

  2. どうもどうも。
    読んだら感想聞かせてよ。
    グローバリズムや市場メカニズムにまんまと飲み込まれている?僕ら(経営者)が次の時代どうしたらいいのか知りたいんだよね。

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