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ラインホルト・メスナー。かっこいい。

なぜ人間は山に魅せられるのか? 『輝く峰 ガッシャーブルム』において、伝説の登山家ラインホルト・メスナーたちは8千メートル級の峰に連登という難題に挑む。白い砂漠の中で監督は登山家たちに問う。何が彼らをそこまで駆り立てるのか? ヘルツォーク監督は不可能に挑む人間の狂気を追う。何かに取り付かれた人間の眼の、どこまでも澄み切った深みをカメラが捉えている。
『バケのカムバック』の舞台はアルプス。今は亡き親友と初登攀したミディ南壁に、モーリス・バケが32年の時を経て挑む。青空を背にほぼ垂直の岸壁をゆく人々は、しかしその危うさを忘れてしまうほどに愉しげである。頂からの景色、若き登山家クリストフ・プロフィの逞しさと健やかさ。岩峰に口づけるバケ。そしてチェロの音色。爽やかさが胸に残る追憶のドキュメンタリー。