以前にレヴィ=ストロースの本を一所懸命読んだのですが、わからずじまいだったのでもう一度。
これはわかりやすかったです。構造主義だけに焦点をあてて内向きに深堀っていくアプローチでなく、サルトル、マルクス主義から構造主義、そしてポスト構造主義といった流れの中における、外側から見た構造主義を説明するスタイルになっているのがよかです。レヴィ=ストロースとロラン・バルトがやっと自分の中でつながりました。
人間中心の世界観に疑問をお持ちの方は、ここまで(レヴィさんの60年代)さかのぼって考えてみるのも良いかと。
「実存主義」に抗して華々しく登場し、世界の哲学・現代思想を代表するまでになった「構造主義」、そしてそれに続く「ポスト構造主義」は、ことさら難しく思われがちな思想です。しかし、進歩思想の挫折や共産主義の失敗など、社会状況と密接にかかわっていただけに、知らず知らず、わたしたちの考え方にも入り込んでいて、今になってみると「なるほど」と思い当たることも多いのです。そうした点を、絵や図を使って、今までになくわかりやすく解説した肩の凝らない入門書です。
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