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いままではホロコーストの歴史・惨劇を「外」から眺めて知っていただけな気がする。生き抜いた本人による言葉はなにより強く心に響いた。

ドイツ生まれのユダヤ人少年の幸せな日々は、突然終わりを告げた。ゲットーへの「再定住」と父の死。強制収容所への移送と母の死。死があまりに身近な場所で、人間が失うことのできるほとんどすべてのものを失いながらも、運と知恵を頼りに少年は生き抜いた。移送された2011人のほぼ最後の生き残りとして、なお寛容を語った魂の記録。