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近い境遇同士であっても、完全に共感しあうことはなく、人の感情はもっと複雑で、でも受け入れ合うことはできる、そんなことが伝わってくる。

語れないと思っていたこと。
言葉にできなかったこと。

東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。
それからの10年の時間をたどり、人びとの経験や思いを語る声を紡いでいく、著者初めての小説。