

新潮クレスト・ブックスの創刊10周年、おめでとうございます。厳選した短篇10作の中に、個人的に微妙だったウィリアム・トレヴァーさんの作品(「死者とともに」はたしかにまあまあ良いと思いましたが..)が入っているので若干の不安を覚えつつ..他の作品が自分好みでありますやう。
はじめて読んだ作品の中ではデイヴィッド・ベズモーズギス『マッサージ療法士ロマン・バーマン』が良かったです。あとやっぱりインパクトがあるのはアリステア・マクラウド『島』でした。
マンロー、トレヴァー、ラヒリ、マクラウド、イーユン・リー……短編の醍醐味を堪能できる選りすぐりの10作。


青山ABCに行ったら売ってました。良かった。amazonではここしばらくずっと品切れ、マーケットプレイスは2倍近い値段だったのでしばらく様子見でした。
どの短篇も…うまくいえませんが…うーんどうなんでしょう。
自分はあの時、たしかに愚かだった——少しでも幸せでありたいと願う、気難しく、不器用な普通の人々。アイルランドとイギリスを舞台に、執着し、苦悩し、諦め、立直っていく男たち女たちを描いた、英語圏最高の短篇作家W・トレヴァーによる12作。

この退屈ぎりぎりのたんたんとした感じがなんとも。(自分の撮る写真みたい..。)
イングランド北部のある通り。夏の最後の一日がはじまる。夕刻に起こる凶事を、誰ひとり知る由もないまま—。22番地の小さな眼鏡をかけた女子学生。彼女を密かに恋する18番地のドライアイの青年。19番地の双子の兄弟。20番地の口ひげの老人。そして、16番地の大やけどを負った男と、その小さな娘…。通りの住人たちの普段どおりの一日がことこまかに記され、そこに、22番地の女の子の、3年後の日常が撚りあわされてゆく。無名の人びとの生と死を、斬新な文体と恐るべき完成度で結晶させた現代の聖なる物語。

過去のことを、新しいイデオロギーで裁こうという行為はやっぱり無理があるような気がしますし、とはいえ曖昧なままにしておく、というのも微妙な気もします。難しい問題だ。
15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」—ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。

前から気になっていましたが、梨木さんの著書「水辺にて」に登場し、これはやはり読まなきゃなと。
現在はほとんど見られなくなっているフェンズの風景。
近いうちに行っておきたい。
妻が引き起こした嬰児誘拐事件によって退職を迫られている歴史教師が、生徒たちに、生まれ故郷フェンズについて語りはじめる。イングランド東部のこの沼沢地に刻まれた人と水との闘いの歴史、父方・母方の祖先のこと、少女だった妻との見境ない恋、その思いがけない波紋…。地霊にみちた水郷を舞台に、人間の精神の地下風景を圧倒的筆力で描き出す、ブッカー賞受賞作家の最高傑作。

いしいしんじさんは新潮クレスト好きとのこと。
きっと「遠い音」は「ぶらんこ乗り」や「絵描きの植田さん」に、
「素数の音楽」は「麦踏みクーツェ」につながるんだと思う。
3週間以上かけてゆっくり読んじゃいました。
1910年代が少し身近に感じることができるようになりました。
並行して読んでいる「舞踏会へ向かう三人の農夫」 も偶然そのころのお話。
音のない世界が、こんなにも豊かだったとは……。静寂の大地カナダで、戦争の世紀を生き抜いた聾唖の女性の半生を、実話をもとに力強く描いた感動作。

「アルネの遺品」と同様に、
”純粋な人ほど傷つきやすい”、”無邪気な行動にひそむ残虐性”
というテーマが一部に描かれていました。
想像以上にデリケートな人は世の中にたくさんいるんだと思う。
傷つける側にならないよう気をつけないと。
婚約指輪を列車のなかに忘れた若い女性、大道芸に使うナイフを忘れた旅芸人、入れ歯が、僧服が見つかる…。北ドイツの大きな駅の遺失物管理所を舞台に、巨匠レンツが、温かく繊細な筆致で数々の人間ドラマを描き出す。

数、そしてリーマン予想を巡る人類のあくなき挑戦!?
素数の美しさ/魅力にただただ感動。
整合性/ロジック/法則/定理/唯一/絶対
といった類いには生理的に拒否反応を示す私ですが、
それらの持つ魅力も分からないでもないと思い直させられました。
美しくも神秘的な謎に満ちた数、素数。21世紀最後の謎「リーマン予想」に挑む天才たちのスリリングな闘い。数をめぐる麗しきノンフィクション。


久しぶりの新潮クレスト。
ケープ・ブレトン島周辺を舞台にしたゲール語を話す人々の昔話..。
独特のしっとりした世界観に惹かれましたが、話もちょっとジメットした感じで..。
舞台は、『灰色の輝ける贈り物』と同じ、スコットランド高地の移民が多く住む、カナダ東端の厳寒の島ケープ・ブレトン。役立たずで力持の金茶色の犬と少年の、猛吹雪の午後の苦い秘密を描く表題作。ただ一度の交わりの記憶を遺して死んだ恋人を胸に、孤島の灯台を黙々と守る一人の女の生涯。白頭鷲の巣近くに住む孤独な「ゲール語民謡最後の歌手」の物語。灰色の大きな犬の伝説を背負った一族の話。人生の美しさと哀しみに満ちた、完璧な宝石のような8篇。
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