6月 1, 2009 0
6月 1, 2009 0
中沢 新一 : 熊から王へ―カイエ・ソバージュ〈2〉 ☆☆☆☆☆
これまで自分が「宮沢賢治」「南方熊楠」「レヴィ=ストロース」「マタギ」「東北」等々に惹かれてきた理由、ここにありました。あぁ、とてもすっきり。
このシリーズ、とてもためにもなって面白いです。
「対称性」視点で世の中を見ることをこれからもっと意識的に行っていこう。
米同時多発テロと神話学――。この2つが根本のところでかかわっていると聞けば、異様な感じを受ける向きも多いだろう。だが、テロであれその報復であれ、すべての「野蛮」は神話的価値観の終焉がもたらしたといえるのだ。
本書は「超越的なもの」について、太古から人類が巡らせてきた思索を追うシリーズの第2巻。原初の共同体が崩壊し、王と国が生まれるまでを考察する。著者はアムール川流域やサハリン、北米、南米などに伝わる数多くの神話を分析、自然と人間が互いに尊重し、交流していた社会の姿を探り出してゆく。ここでは、人と動物が単なる狩り狩られる関係ではなく、人間も毛皮をまとえば獣となり、雌とつがって子を産ませるというような伝承が生じる。また、無差別に動物を殺戮することなどありえず、生きるために殺しはしても、骨や毛皮は敬意をもって扱われた。人と自然が相互に往き来できる世界、いわば「対称性の社会」なのだ。こうした世界では、「権力」は本来、自然が持つものであり、社会の外にあった。人間のリーダーである「首長」は、交渉や調停といった「文化」の原理で集団を導く者だったのだ。だが、この「権力」が共同体内部に持ち込まれたとき、人間と自然は隔絶し、首長は王となって、国が生まれた。「権力」を取り込むことで成立した「国」は、人や自然を一方的に支配しようとする宿命を持つ。ゆえに国家というものは本質的に野蛮をはらんでいるのだ、と著者は言う。
本書のもとになった講義は、同時多発テロの直後に開始された。その影響は色濃く、本文のなかでも、文化とは何か、野蛮とは何かという問いかけがしばしばなされている。著者は国家という野蛮に抗しうる思想として、仏教の可能性を考察する。ブッダの生家は共同体に近いような小邑の首長であり、この出自が仏教の性格に影響を及ぼしているという。とすれば、原初の精神が21世紀の混迷を照らすということになるだろう。きわめてダイナミックな構図だが、こうした示唆こそ神話を学ぶ意味なのかもしれない。(大滝浩太郎)
5月 24, 2009 0
吉田 篤弘 : 小さな男 * 静かな声 ☆☆☆・・
読み終えたときの心地よさは相変わらずです。
こちらの作品は「ウフ.」に連載していたようですね。
昔、「ウフ.」よく読んでました。春に休刊になってしまった、とのこと。残念ですね。
□いまは独り身である。
□友だちはあまりいない。
□引き出しから、思いがけないガラクタが出てきたことがある。
□自転車に乗れる。
□自由奔放な弟/妹になれたら、とときどき思う。
□道に迷いがちである。
□小さなものが好きである。
2つ以上あてはまるものがあれば、どうぞページをおめくりください。
煌めくことばの宝箱。待望の2年ぶりの新作小説!
5月 14, 2009 0
展覧会:ホンマタカシ「トレイルズ」☆☆☆☆・
5月 12, 2009 0
熊谷 達也 : 邂逅の森 ☆☆☆・・
5月 9, 2009 0
安田 喜憲 : 日本よ、森の環境国家たれ ☆☆☆・・
環境考古学の先生の本。「森の民」と「家畜の民」の違いを、歴史的・地理的にとてもすっきり、わかりやすく教えてくれます。
私たち日本人が「森の民」として森(地球環境)と共に生きる生き方の重要性・必然性を再確認できる本です。
人類文明史には「森の民」の「植物文明」と「家畜の民」の「動物文明」の二類型があるというのが、本書の最大の発見である。「森の民」の「稲作漁撈民」は桃源郷を、「家畜の民」の「畑作牧畜民」はユートピアを創造した。桃源郷こそ「森の民」の究極の生命維持装置だった。だが、人類文明史は、一面において後者の「動物文明」が前者の「植物文明」を駆逐する歴史であった。そうした中で「森の民」日本人は「家畜の民」に蹂躪されへこたれたことが一度もなかった。日本人が森にこだわり「森の環境国家の構築」に邁進するかぎり、日本の未来は安泰であるというのが、本書の提言である。
4月 30, 2009 0
工藤 隆雄 : マタギに学ぶ登山技術 ☆☆☆☆・
4月 28, 2009 0
増浦行仁 : 天狗の棲む山―最後の修験道の聖地 ☆☆☆☆・
4月 26, 2009 0
熊谷 達也 : 山背郷 ☆☆☆☆・
4月 17, 2009 0
James Marsh : Man on Wire ☆☆☆☆・
先月になりますが、バルタバス「シャーマン」と同じく、エルメスギャラリーで観てきました。
Philippe Petit一味のドキュメンタリー。こんな格好いい連中が現代にもいたんですね。
綱渡りは最近、slackliningなんていうキーワードで日本でも流行らそうとしている方々がいらっしゃるようで…。ちょっとやってみたい気もします。
Native New Yorkers know to expect the unexpected, but who among them could’ve predicted that a man would stroll between the towers of the World Trade Center? French high-wire walker Philippe Petit did just that on August 7th, 1974. Petits success may come as a foregone conclusion, but British filmmaker James Marshs pulse-pounding documentary still plays more like a thriller than a non-fiction entry–in fact, it puts most thrillers to shame. Marsh (Wisconsin Death Trip, The King) starts by looking at Petit’s previous stunts. First, he took on Paris’s Notre Dame Cathedral, then Sydney’s Harbour Bridge before honing in on the not-yet-completed WTC. The planning took years, and the prescient Petit filmed his meetings with accomplices in France and America. Marsh smoothly integrates this material with stylized re-enactments and new interviews in which participants emerge from the shadows as if to reveal deep, dark secrets which, in a way, they do, since Petit’s plan was illegal, “but not wicked or mean.” The director documents every step they took to circumvent security, protocol, and physics as if re-creating a classic Jules Dassin or Jean-Pierre Melville caper. Though still photographs capture the feat rather than video, the resulting images will surely blow as many minds now as they did in the 1970s when splashed all over the media. Not only did Petit walk, he danced and even lay down on the cable strung between the skyscrapers. Based on his 2002 memoir, Man on Wire defines the adjective “awe-inspiring.” –Kathleen C. Fennessy










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