BOOKWORM

Icon

ご縁で巡り会えた写真集や国内外の文学を中心に、たまに映画や音楽など。

井上 靖 : 氷壁 ☆☆☆・・

G.W.に山に入れなかったので、少しだけでも山気分を味わうために読みました。
読みやすかったけど、『神々の山嶺』の方が面白かったかな。

奥穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないザイルが切れて墜死する。小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め数々の臆測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻八代美那子への思慕を胸に、死の単独行を開始する…。完璧な構成のもとに雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた長編小説。

吉田 篤弘 : 小さな男 * 静かな声 ☆☆☆・・

読み終えたときの心地よさは相変わらずです。
こちらの作品は「ウフ.」に連載していたようですね。
昔、「ウフ.」よく読んでました。春に休刊になってしまった、とのこと。残念ですね。

□いまは独り身である。
□友だちはあまりいない。
□引き出しから、思いがけないガラクタが出てきたことがある。
□自転車に乗れる。
□自由奔放な弟/妹になれたら、とときどき思う。
□道に迷いがちである。
□小さなものが好きである。
2つ以上あてはまるものがあれば、どうぞページをおめくりください。
煌めくことばの宝箱。待望の2年ぶりの新作小説!

熊谷 達也 : 邂逅の森 ☆☆☆・・

直木賞と山本周五郎賞のダブル受賞の作品。ドラマチックですがマタギの生き方が生き生きと伝わってきます。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編。

熊谷 達也 : 山背郷 ☆☆☆☆・

短篇ながらどれも心に残る作品ばかり。解説のとおり、現代人の生き方ではなかなか体感することが難しい「大自然と共生」「生の力強さ」がありました。
流れるような文章で非常に読みやすくどんどん作品の世界感に惹き込まれます。賞を総なめにされているわけだ。

「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。その山背が渡る大地で様々な厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫…。大自然と共生し、時に対峙しながら、愛する家族のために闘う彼らの肖像を鮮やかに描き、現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う九編の物語。作家の原点が凝縮された傑作短編集。

沖浦 和光 : 幻の漂泊民・サンカ ☆☆☆☆・

個人的には沖浦さんの説(日本に古来からいた地人の子孫ではなく、天明・天保の飢饉のころに発生した、定住しない人々)が一番しっくりきます。最後の章の実際のサンカ子孫の方々のインタビューは非常にいきいきしていて、サンカの持つどこかダークなイメージを払拭させてくれます。五木寛之『風の王国』よりこちらを先に読めば良かったです。

柳田国男、三角寛、以来の山窩論争に終止符を打ち、日本人の山窩幻想を鮮やかに総括。

礫川 全次 : サンカと三角寛 – 消えた漂泊民をめぐる謎 ☆☆☆・・

サンカといえば沖浦さんの『幻の漂泊民・サンカ』が分かりやすくて面白いですが、こちらもなかなか。沖浦さんとはサンカの出生時期などにおいて意見を異にするようですが、サンカに対して様々な理解や変容があったよ、という流れは分かりやすかったです。

サンカとは何か。それは実像なのか、虚像なのか、幻像なのか。これらの問いに正しく答えられる人物は、おそらく一人しかいない。山窩小説家、サンカ研究家として知られた三角寛である。三角は昭和初期にサンカに注目し、その存在を世に知らしめた。その後、サンカに関する情報を「独占」した彼は、昭和三〇年代にサンカの消滅を見届け、その歴史の終結を宣言した。これまでに語られたサンカ論の系譜を丹念にたどりながら、消えた漂泊民サンカ、そして三角寛という人物をめぐる謎に迫る。

萱野 茂 : アイヌの昔話―ひとつぶのサッチポロ ☆☆☆☆・

いわゆる一般的な昔話(「むかしむかしあるところに..」とか「むかしあったずもな」とかではじまるやつね)とも西洋の民話とも違う!独特の雰囲気です。
まず語り手が第三者のこと(「昔々おばあさんとおじいさんがいました。..」)を語るのではなく、自分自身のことを語る(「私はフリという大きな大きな鳥です。…」など)、という語り口調。そして主人公がだいたい神様や動物。アイヌの人々と神様、動物の距離はやっぱりとても近かったのですね。

アイヌの人々の間で口伝えに語り継がれてきたウゥェペケレ(昔話)、20話。悪い根性を懲らす痛快な、よい生活の作法を教える温かな話の中に、人間と自然と神とが自在に交流し共生する世界のあり方を告げる。

鈴木サツ : 続・遠野むかしばなし ☆☆☆☆・

やっぱり日本の昔話は面白い。楽しいものからこわいものまで。鈴木サツさんの語り口(なまり)もだいぶ読み慣れてきたので他の本も読みまたいと思います。

佐々木 喜善 : 遠野のザシキワラシとオシラサマ ☆☆☆☆・

昔は本当にザシキワラシがたくさんいたんだと思います。岩手にはこんなに記録があるのに秋田にはどうしてザシキワラシがいなかったのでしょう。本当不思議です。そういえば、最近どこかの旅館の一室にザシキワラシがでる、って話題になりましたね。きっと良いところだと思います。
Read the rest of this entry »

瀬川 拓男 : 秋田の民話 (1958年) ☆☆☆☆・

とてもいい本が手に入りました。
秋田で行われた「わらしべ貯金箱」で発見。市民が寄付してくれた品々に対し、欲しい人がふさわしいと思う値段で買い取る仕組み。この本はちょっと安く買いすぎたかも。

子どもの頃からなぜか「秋田=八郎潟」というイメージが抜けなかったのですが、きっと昔話「八郎物語」によるものだと思います。民話パワーってすごい。

秋田は民話の処女地である。昔から文化もひらけ、鉱山、農業、漁業等に活発な生業の歴史をもち、従ってそれぞれにまつわる民話も数多い。五三篇の民話とわらべうたとを収録。

Polls

Sorry, there are no polls available at the moment.
[wp-simple-survey]

about

    中村 直彦|naohiko nakamura 写真を見たり、撮ったり、好きな本を読んだりしてのんびり生きています。 写真のブログもあります⇒PHOTOWORM

Archives