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ご縁で巡り会えた写真集や国内外の文学を中心に、たまに映画や音楽など。

中沢 新一 : 熊から王へ―カイエ・ソバージュ〈2〉 ☆☆☆☆☆

これまで自分が「宮沢賢治」「南方熊楠」「レヴィ=ストロース」「マタギ」「東北」等々に惹かれてきた理由、ここにありました。あぁ、とてもすっきり。
このシリーズ、とてもためにもなって面白いです。

「対称性」視点で世の中を見ることをこれからもっと意識的に行っていこう。

米同時多発テロと神話学――。この2つが根本のところでかかわっていると聞けば、異様な感じを受ける向きも多いだろう。だが、テロであれその報復であれ、すべての「野蛮」は神話的価値観の終焉がもたらしたといえるのだ。
本書は「超越的なもの」について、太古から人類が巡らせてきた思索を追うシリーズの第2巻。原初の共同体が崩壊し、王と国が生まれるまでを考察する。

著者はアムール川流域やサハリン、北米、南米などに伝わる数多くの神話を分析、自然と人間が互いに尊重し、交流していた社会の姿を探り出してゆく。ここでは、人と動物が単なる狩り狩られる関係ではなく、人間も毛皮をまとえば獣となり、雌とつがって子を産ませるというような伝承が生じる。また、無差別に動物を殺戮することなどありえず、生きるために殺しはしても、骨や毛皮は敬意をもって扱われた。人と自然が相互に往き来できる世界、いわば「対称性の社会」なのだ。こうした世界では、「権力」は本来、自然が持つものであり、社会の外にあった。人間のリーダーである「首長」は、交渉や調停といった「文化」の原理で集団を導く者だったのだ。だが、この「権力」が共同体内部に持ち込まれたとき、人間と自然は隔絶し、首長は王となって、国が生まれた。「権力」を取り込むことで成立した「国」は、人や自然を一方的に支配しようとする宿命を持つ。ゆえに国家というものは本質的に野蛮をはらんでいるのだ、と著者は言う。

本書のもとになった講義は、同時多発テロの直後に開始された。その影響は色濃く、本文のなかでも、文化とは何か、野蛮とは何かという問いかけがしばしばなされている。著者は国家という野蛮に抗しうる思想として、仏教の可能性を考察する。ブッダの生家は共同体に近いような小邑の首長であり、この出自が仏教の性格に影響を及ぼしているという。とすれば、原初の精神が21世紀の混迷を照らすということになるだろう。きわめてダイナミックな構図だが、こうした示唆こそ神話を学ぶ意味なのかもしれない。(大滝浩太郎)

米田知子「終わりは始まり」☆☆☆☆☆


米田知子 「終わりは始まり」
会場: 原美術館
スケジュール: 2008年09月12日 ~ 2008年11月30日
住所: 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
電話: 03-3445-0651


行ってきました。やっと。めちゃめちゃ良かったです。
作品と原美術館の相性もばっちりで、以前の野口里佳さんの展覧会を上回る感じでした。
米田さんの名を知らしめた「見えるものと見えないもののあいだ」シリーズも、実際の作品を見たのは初めてだったのですがとても感動しました。
また他の作品も含めプリントがめちゃめちゃいいです。持って帰ってきた図録と比べると格段の差。

そういえば、In-betweenシリーズでも一番気に入ったのが米田知子さんの写真集でした。

お時間があれば皆さま是非!

ペーター・フォン・バーグ : アキ・カウリスマキ ☆☆☆☆☆

「私にとって映画監督はこの人だけがいればいい。」といいきってしまいたい程大好きなカウリスマキ(キアロスタミとかその他にも好きな監督はいますが。。)。
とにかく宝の一冊!

1980年代末、フィンランドから彗星のように登場し、類い希な映像センスやオフビート感覚、また人が生きることの悲しみと社会の酷薄さに対する批判を打ち出して、世界の映画ファンを震撼させた映画監督、アキ・カウリスマキ。本書は、2006年に刊行された世界初のカウリスマキへのインタヴュー本の完訳である。

内容は、ピーター・フォン・ヴァーグによるカウリスマキへの年代順に作品を追うかたちで行われたインタヴューを中心に、映画のスチールをフルカラーでふんだんに盛り込み、さらに詳細な作品紹介・人物用語解説などを付した、まさにアキ・カウリスマキ決定版といえるものである。

現在までにフィンランド語版とイタリア版(ロカルノ映画祭に時期を合わせたものだが、刊行はこちらがフィンランド語版より先)が出ているが、翻訳はフィンランド語版より行い、またレイアウトもフィンランド語版を踏襲するものとする。カウリスマキファンにとっては垂涎の書となることは間違いないだろう。

Jean Luc Mylayne : Jean Luc Mylayne ☆☆☆☆☆

久しぶりにきました。珠玉の一冊。これは凄い。しかもお買い得。
もう少し小さい写真集もshelfさんで売ってました。

For more than thirty years, Jean Luc Mylayne has been photographing the birds of his native France. The creation of each image is a laborious process which can take months as Mylayne returns to the same location, day after day, waiting for his “actors”, the birds, to play their parts before his lense. Mylayne asserts that the birds – he particularly focuses on bluebirds indigenous to Western Europe and the Western United States – are willing participants in the making of the picture. This is Jean Luc Mylayne’s first book, and will accompany a U.S. exhibition.

ポール・オースター : ティンブクトゥ ☆☆☆☆☆

発売当時、ジャケ買い寸前でしたが、ベストセラー作家の作品ということで回避していました。今日素直に購入。
感動しました。サンタクロース!?もでてきて、自分にとってよいクリスマスプレゼントになりました。
感動の余韻にひたりたいので今年の読書はこれで終了。

犬のミスター・ボーンズと飼い主の詩人ウィリーは初めから気のあう仲間だった。放浪癖のあるウィリーは、一緒に旅をしながらぶっ続けで話をしてくれた。だからミスター・ボーンズは、言葉を理解出来るようになった。そしてウィリーはもう先行き長くない―。出会いの喜び、別れの悲しみ。犬の視点で、世界を描くことを成功させた、オースターの最高傑作ラブ・ストーリー。

大竹 伸朗:UK77 ☆☆☆☆☆


欲しい、欲しいと思ってたUK77。
文句なく五つ星です。

大竹伸朗がロンドンで過ごしたおよそ1年間に撮りためた、または(拾い)集めた「すでにそこにあるもの」たちを厳選・再構成した作品集。写真+画+貼膨による本格的なアーティスト・ブック。

ポール・ギャリコ : 猫語の教科書 ☆☆☆☆☆

久しぶりの五つ星です。1章読んだだけで決定です。
自分の人生観(人類観?)はここにありました。

ある編集者のもとへ届けられた不思議な原稿を解読することができた著者は驚いた。それはなんと猫による猫のための「快適な生活を確保するために人間をどうしつけるか」というマニュアルだった。

オタ・パヴェル : 美しい鹿の死 ☆☆☆☆☆


リストを読み返していたらもっとも大事な本を載せていなかったことが判明。
もっと作品を残してくれてたらいいのにと思う作家さんのひとり。

ユダヤ人の父親は、強制収容所に送られる息子のために、見つかれば銃殺されるのを覚悟で、鹿の密猟に出かけるが…。破天荒だが憎めない父親と暖かな家族の絆を描く表題作ほか、7編を収録。

Jean-paul brohez : Aplovou ☆☆☆☆☆

今後の写真生活の中でもとても重要な一冊になりそう。
邦題は、雨を連れて来た男、でした。

Gerhard Richter: Landscapes ☆☆☆☆☆


究極ですね。
絵の方から風がいまにも吹いてきそうでフハッとなります。

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    中村 直彦|naohiko nakamura 写真を見たり、撮ったり、好きな本を読んだりしてのんびり生きています。 写真のブログもあります⇒PHOTOWORM

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