萱野 茂 : アイヌの昔話―ひとつぶのサッチポロ ☆☆☆☆・

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いわゆる一般的な昔話(「むかしむかしあるところに..」とか「むかしあったずもな」とかではじまるやつね)とも西洋の民話とも違う!独特の雰囲気です。
まず語り手が第三者のこと(「昔々おばあさんとおじいさんがいました。..」)を語るのではなく、自分自身のことを語る(「私はフリという大きな大きな鳥です。…」など)、という語り口調。そして主人公がだいたい神様や動物。アイヌの人々と神様、動物の距離はやっぱりとても近かったのですね。

アイヌの人々の間で口伝えに語り継がれてきたウゥェペケレ(昔話)、20話。悪い根性を懲らす痛快な、よい生活の作法を教える温かな話の中に、人間と自然と神とが自在に交流し共生する世界のあり方を告げる。