三島由紀夫であれば「潮騒」
北杜夫であれば「夜と霧の隅で」
Squeezeであれば「Labelled With Love」
のように、いつもの作者が描くものとは異質だけど名作、というものがある。
ブローティガンで言えば、これではないでしょうか。

コミューン的な場所、アイデス“iDeath”と“忘れられた世界”、そして私たちとおんなじ言葉を話すことができる虎たち。西瓜糖の甘くて残酷な世界が夢見る幸福とは何だろうか…。澄明で静かな西瓜糖世界の人々の平和・愛・暴力・流血を描き、現代社会をあざやかに映して若者たちを熱狂させた詩的幻想小説。ブローティガンの代表作。